家庭用金庫を少しでも安く手に入れたいと考えたとき、「中古の家庭用金庫」が選択肢に挙がるかもしれません。中古品は新品よりも安価に入手できる可能性がありますが、家庭用金庫の場合、中古品ならではの注意点がいくつか存在します。安易に中古品に飛びつく前に、以下の点を確認することが重要です。まず最も重要なのは、「性能の劣化」です。特に耐火金庫の場合、耐火性能は内部に使用されている耐火材によって決まります。この耐火材は、経年劣化や湿気などによって性能が低下する可能性があります。製造から長い年月が経過した中古の耐火金庫は、表示されている耐火時間通りの性能を発揮できない可能性があり、火災時に大切なものを守れない危険性があります。耐火金庫の寿命は一般的に20年程度と言われており、それ以上古いものは避けた方が良いでしょう。次に、「ロック機構の不具合や寿命」です。ダイヤル式、テンキー式、鍵式など、どのロック方式であっても、長年使用されていれば部品が摩耗したり劣化したりしています。中古品の場合、購入後すぐにロックが開かなくなったり、不具合が生じたりするリスクがあります。特にテンキー式などの電子ロックは、電気部品の寿命が関係するため、古いものは故障のリスクが高まります。鍵式の場合、鍵が一本しかない、あるいは合鍵が作りにくい特殊な鍵である可能性もあります。さらに、「防盗性能の確認」も重要です。中古の金庫は、過去にどのように使用されていたか、どのような環境に置かれていたか不明です。落下させたり、無理な力を加えられたりした痕跡がないか、外観だけでなく、可能な限り内部も確認する必要があります。小さな歪みや凹みでも、防盗性能に影響を与えている可能性があります。「鍵や暗証番号」の問題も中古金庫ならではの注意点です。中古品の場合、前の所有者から正確な鍵や暗証番号が引き継がれているか確認が必要です。もし鍵を紛失していたり、暗証番号が不明であったりする場合、開錠や修理に別途費用がかかる可能性があります。特にダイヤル式の場合、番号変更ができないタイプや、番号変更に専門的な知識や技術が必要なタイプもあります。
中古家庭用金庫の注意点