玄関の鍵を回そうとしたら、急に固くて回らない、あるいは全く開かない。このような状況は、外出時でも帰宅時でも非常に困るものです。鍵が開かない原因は様々ですが、慌てずに落ち着いて対処することが重要です。ここでは、一般的な開き戸の玄関の鍵が開かない時の原因と、自分でできる応急処置、そして専門家への依頼について解説します。鍵が開かない原因として最も多いのは、鍵穴内部の汚れや潤滑不足です。長年使用していると、鍵穴にホコリや砂、手垢などが溜まり、鍵の動きを妨げます。また、鍵穴内部の潤滑剤が切れて、部品同士の摩擦が増えることも原因となります。鍵を差し込む際に引っかかりを感じたり、回すときに重く感じたりする場合は、これが原因の可能性が高いです。自分でできる応急処置としては、まず鍵穴専用の潤滑剤を少量使用してみることです。ホームセンターや鍵屋さんで数百円程度で購入できます。鍵穴にノズルを差し込み、軽くワンプッシュする程度で十分です。その後、鍵を何度かゆっくりと抜き差しし、鍵穴内部に馴染ませてみましょう。鍵の動きがスムーズになるか確認します。**絶対にやってはいけないのは、サラダ油やミシン油、一般的な潤滑スプレー(CRCなど)を鍵穴に使用することです。**これらは一時的に症状が改善したように見えても、油分にホコリが付着して内部で固まり、かえって深刻な故障の原因となります。次に考えられる原因は、鍵本体の歪みや摩耗です。鍵を落としたり、他のものとぶつけたりすることで、鍵の形状がわずかに歪むことがあります。また、長年の使用によって鍵の山や谷が摩耗すると、鍵穴の内部構造と正確に噛み合わなくなり、鍵が回りにくくなります。このような場合は、いくら鍵穴に潤滑剤を使用しても効果はありません。手元に別の合鍵がある場合は、そちらで開けられるか試してみてください。別の合鍵で開けられるなら、鍵本体の不具合が原因である可能性が高いです。これらの応急処置を試しても鍵が開かない場合や、鍵穴に異物が詰まっていると思われる場合、あるいは鍵が鍵穴の中で折れてしまった場合などは、自分で無理に対処しようとせず、迷わず鍵専門業者に依頼することが賢明です。